信濃の国 原始感覚美術祭

テイさんの作品は祈りが込められている。
土地が秘めたものをすくいあげて、
私たちに見せてくれる。

それ以上に彼女の作品が魅力的なのは
彼女自身が1番遊んでいるから。


木崎湖に腰まで水につかって、
作品に使う泥を採取するお手伝い。
粘土質の泥を切りだしていく。

「泥をさわるの、子どもの頃以来です。
すごい楽しかった気がします。」

テイさんは言う。

「そうなの...私は今でも楽しいよ。」

「こうやっていると、
大きなチョコレートケーキを切っているみたいじゃない？」

湖底の泥の感触。
砂利を払ってから、さくり、さくりと。
地球のケーキをいただく。

テイさんは作業の合間にバタフライ。
しなやかさと体力。

祈りながら、
彼女自身が1番自由に遊んでいる。

梅沢