2015年08月11日
本郷毅史さん・展示「水源域・福島」
【本郷毅史】さんは、今年は信濃大町駅からすぐの「大町リノプロ」でも展示中です。
本郷さんは、6月に20日間あまりかけて撮った福島の水源の光景の、写真と映像を展示されています。
最終日の24日にはイベントも企画されています。
『福島写真美術館 プロジェクト成果展in大町』
2015年8月1日(土)〜8月24日(月)
会場:大町リノプロ 長野県大町市大町3206-14
観覧時間:10:00~17:00
8月24日 : トークセッション
「福島の過去・現在・未来とジブンごと」
↓「水源域・福島」の展示につけられた本郷さんの文章です。
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20日間かけて福島県を貫流する阿武隈川、会津を流れる阿賀川、そして原発から数十キロしか離れていない阿武隈山地の夏井川へ行き、撮影をした。
林道を車で行けるところまで行き、そこから登山道に入り、登山道を離れ、沢に降り、沢沿いに歩いていく。滝が現れたら登攀し、淵が現れたら泳ぎ、藪が現れたらかき分けながら進む。沢のそばに野宿し、焚き火をする。そうやって何日もかけて水源へと遡行し、撮影した。
福島の水源域へ行くということ。震災、原発事故以前だったら、ただ喜びだけで向かっただろう。あの日より後に福島の水源に向かうということは、いったいどういうことなのだろうか。行く前も、歩きながらも、ずっと福島の水源へ行くという行為の意味を考えていたが、何かが分かるということはなかった。ずっと問いの前に立っている感覚があった。むしろ問いの前に立つために行ったのかもしれない。
ただ、時折そんな問いを無化するかのような美しい光景に出会った。水源域の光景は、美しかった。水は、深い森の中を、刻々と変化しつつ、千年変わらないかのような様子で流れていた。私はその光景を、ただひたすら見続けた。水が流れている様子を見ているだけで、私の心のいちばん深いところが喜んでいた。
水の流れが光を反射していた。苔に水玉がしたたっていた。滝つぼへ水が激しく落下していた。目にする光景はそれだけで祝福に満ちていた。目にするものすべてが美しく、そしてなぜだかなつかしく、祈るような気持ちで水源域の森を歩き、辿り着いた水源に手を合わせた。
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ぜひ、沢山の方に展示を見ていただけたらと思います。
本郷さんは、6月に20日間あまりかけて撮った福島の水源の光景の、写真と映像を展示されています。
最終日の24日にはイベントも企画されています。
『福島写真美術館 プロジェクト成果展in大町』
2015年8月1日(土)〜8月24日(月)
会場:大町リノプロ 長野県大町市大町3206-14
観覧時間:10:00~17:00
8月24日 : トークセッション
「福島の過去・現在・未来とジブンごと」
↓「水源域・福島」の展示につけられた本郷さんの文章です。
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20日間かけて福島県を貫流する阿武隈川、会津を流れる阿賀川、そして原発から数十キロしか離れていない阿武隈山地の夏井川へ行き、撮影をした。
林道を車で行けるところまで行き、そこから登山道に入り、登山道を離れ、沢に降り、沢沿いに歩いていく。滝が現れたら登攀し、淵が現れたら泳ぎ、藪が現れたらかき分けながら進む。沢のそばに野宿し、焚き火をする。そうやって何日もかけて水源へと遡行し、撮影した。
福島の水源域へ行くということ。震災、原発事故以前だったら、ただ喜びだけで向かっただろう。あの日より後に福島の水源に向かうということは、いったいどういうことなのだろうか。行く前も、歩きながらも、ずっと福島の水源へ行くという行為の意味を考えていたが、何かが分かるということはなかった。ずっと問いの前に立っている感覚があった。むしろ問いの前に立つために行ったのかもしれない。
ただ、時折そんな問いを無化するかのような美しい光景に出会った。水源域の光景は、美しかった。水は、深い森の中を、刻々と変化しつつ、千年変わらないかのような様子で流れていた。私はその光景を、ただひたすら見続けた。水が流れている様子を見ているだけで、私の心のいちばん深いところが喜んでいた。
水の流れが光を反射していた。苔に水玉がしたたっていた。滝つぼへ水が激しく落下していた。目にする光景はそれだけで祝福に満ちていた。目にするものすべてが美しく、そしてなぜだかなつかしく、祈るような気持ちで水源域の森を歩き、辿り着いた水源に手を合わせた。
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ぜひ、沢山の方に展示を見ていただけたらと思います。
Posted by 原始感覚美術祭 at 19:03│Comments(0)
│滞在制作
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